『アップルシナモンキャラメリゼ

アップル シナモン キャラメリゼ (クイーンズコミックス)

アップル シナモン キャラメリゼ (クイーンズコミックス)


それぞれの女の子の恋のお話をまとめた短編集。

デパートの屋上にある子供広場でバイトをする女の子たち。
このバイトは着ぐるみのアルバイト。

恋人から姿を隠すために。
好きな人に近づくきっかけとなるために。
自分の本心を隠すために。
相手への思いを覆うために。
今の自分から脱皮するために。

そんな思いも隠されているような気がします。


この作者は、
『働く女性』を主に描きますが、
今回は少し違って『アルバイトの女の子』という視点から描いています。


そのぶん、
他の作品よりも親近感が持てるし、女の子たちの気持ちもよく伝わってきます。

出会いもあれば別れもある。
遠くにいてもつながる絆もあれば、近くても離れていくこともある。
たった1つのタイミングが、
永遠に交わらない路をいくこともある。


恋愛に限らず、
そのときそのときを大切にしていきたいと思いました。


他の作品より読みやすいかもしれません。
なにより女の子が素直だしかわいいです。


着ぐるみも必見。

『DOGS』

DOGS (ヤングジャンプコミックス)

DOGS (ヤングジャンプコミックス)

全1巻

スタイリッシュかつスマート。
トーンはほとんど使わずにモノトーン調。

今時と言えば今時だけれど、
新鮮な絵柄だとも思う。



主人公は4人。
それぞれに暗く沈む過去があり、その傷を癒せないまま今に至る。


それを早く払拭するために彼らは生きているのだろうけれど。


ハードボイルドのようでシリアスでもあり、
そして笑いあり。


人生は光と闇、天と地、裏と表がせめぎ合いながら共存し、人は生きているのだと思う。




彼らが1つの道にたどり着いたとき、
何が起こるのか。



その結末は光であってほしいと思います。

デルフィニア戦記

全18巻完結


国を追われた王様と異世界から来た少女が出会うことは必然だったのか。


国王として王妃として共にいるのではなく。

お互いの剣に誓いを立て、
戦友として共に歩んでいく姿はとても輝いて見える。




ファンタジー小説の中でも特に好きな作品です。

国を追い出された王様と偶然出会った異世界から来た少女。
お互いがお互いを認め、
剣に誓いを立てて共に戦い続ける姿は『絆』という存在を確かめさせてくれるものだと思う。


戦争物語ではなく、
人と人との繋がりを確かめさせてくれるような気がしました。



お前だから一緒にいるんだ、他のやつならこんなことはしない。



そんなことを言ってくれる友人が一人でもいてくれることはとても幸せなことだと思う。
ただ単純に、
  『お前だから』
と言ってくれる人がいることが嬉しい。



是非読んでもらいたい作品の一つ。


新書サイズのものは挿絵付き。
文庫サイズのものは挿絵無し。



自分の好きな方を選んで読めるのもまた嬉しいと思います。
どちらもおすすめですが、
私的には新書サイズのものを薦めたいです。

挿絵の沖麻実也さんのイラストがとても美しく、
デルフィニアの世界に彩りを与えてくれます。


是非一度手に取ってみて下さい。

『ラブホリック』

全7巻完結済み

『ヘヴンリー・キス』

現在2巻。以下続刊中。


最新作『ヘヴンリー・キス』の前作にあたる作品が『ラブホリック』になる。



会社の上司とその部下が恋に落ちる過程を描いたもの。


難癖もある上司。

不器用な部下。


絶対好きにはならないと思っていた相手を好きになり、
その距離がドンドンと縮まっていく姿は、
じれったいようなイライラするような感覚になる。


どこかあっさりしていて、
時には情熱的に。

学園漫画などにはない、
大人の恋愛事情が描かれている。


『ヘヴンリー・キス』では、
その後の二人の姿が描かれている。




そして。
やはりといいますか。

宮川匡代が描く漫画はどうして、、、どうして。



恋人同士を離れ離れにさせるのでしょうか。



そのパターン飽きたよ、というくらい、必ず。どうしてか。





今回も例に漏れず。

これが社会に出て、社内恋愛の鉄則なんだろうか、と思ってしまうくらい。




人の幸せは簡単には手に入らない。

望んでいても、
手元からするりと零れ落ちていく。

その零れ落ちるモノをいかにして手元に留めておくか。

そしてどのようにして隙間を埋めていくのか。




早く二人には幸せになってもらいたい、と切に願う。

漫画ですけどね。

君に届け

君に届け 1 (マーガレットコミックス)

君に届け 1 (マーガレットコミックス)

連載中漫画の1巻を久しぶりに買いました。
続いていると、
どうしても続きが気になってしまって落ち着かないから敬遠しがちなんですが。


久しぶりに1巻から買い集めようと思った作品。
どことなく、
ヤマトナデシコ七変化』と主人公がかぶりますが。(容姿など)


ただ、この主人公はなにより前向き。
容姿により人を遠ざけてしまっているだけで、
本当は誰とでも友達になりたいと思っている女の子。

ただ、自分を表現するのが不器用なだけなんだと思います。


誰でも、
自分を表現したり相手に伝えたりすることは難しいと思います。
言葉足らずだったり、
恥ずかしがり屋だったり、
様々な要因があると思います。

そんな、
誰しもが持ってる『自分らしさ』を出すことの難しさを、
この主人公は度を越えて伝えているのだと思う 笑


もう1つ好感が持てたのは、
主人公と絡んでくる男の子。
珍しく、男の子の方から女の子にアタックしているのが可愛いと思った。


人気者の男の子と人から避けられる女の子。

少しずつ変わっていく女の子とその周りを見守っていきたいと思った作品です。

『白昼堂々』

白昼堂々

白昼堂々


高校時代に長野まゆみにはまったきっかけとなった作品。

こちらは『東京少年』以上に捻くれた少年が主人公。


自分をうまく表現することができない、
不器用な少年とも言うべきか。


また、今読んでみたら当時とは違った感想を持つのかな。


それにしても。
長野まゆみはどうしてこう儚い少年を描くのが上手いのだろうか。。。

東京少年

東京少年

東京少年

高校のとき以来久しぶりに読みました長野まゆみ作品。


独特の世界観が好きで、
よく読み耽っていました。


読んでいて思い出したことは、
そうだった、長野まゆみはこういう作品を描くんだ、ということ。

どこか陰のある少年を描くのがとても上手い。
素直ではあるけれど、
素直になれない捻くれ者の少年。


長野作品としては、
結構あっさりさっぱりの作品の部類なのかな。

だから、
ちょっと読み応えはなかったというのも素直な感想。


主人公の感情を手紙という形でも表しているから、
自分の中だけの気持ちと、
他人様だから言える素直な気持ちと。

だからとてもシンプルだけれど少年の心がよく見えた気がします。


『白昼堂々』などの凛一シリーズとは違い、
リアルな絡みもないし。


そこのところも関係しているのかな、
とかいろいろ思いながらも。


久しぶりに長野ワールドに浸れてよかったと思います。